「大学入学共通テスト」の基礎知識

現高校3年生(2020年4月時点)が受験する2021年1月から、センター試験に代わって「大学入学共通テスト」が実施されます。この「共通テスト」について、どんな試験なのか、どのように対策すればよいのか、詳しく見てみましょう。

(2020年5月時点の情報です。最新の情報は大学入試センターのウェブサイトなどでご確認ください)

共通テストってどんなテスト?

大学入学共通テストは、大学への入学志願者を対象に、高校における基礎的な学習の達成度を判定し、大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的とする試験です。一般選抜で国公立大学を目指す場合は原則的に、一次試験として共通テストを受験し、二次試験として大学の個別試験を受験することになります。

従来はセンター試験がこの役割を果たしていました。センター試験は毎年の志願者が50万人を超え、私立大学も9割近くが利用する大学入試最大の試験でした。共通テストはそれを受け継ぐものです。

センター試験とどう違うの?

共通テストの問題作成方針では、「これまで問題の評価・改善を重ねてきた大学入試センター試験における良問の蓄積を受け継ぎつつ」としながら、「思考力、判断力、表現力を発揮して解くことが求められる問題を重視する」としています。共通テストの導入に先立って行われた試行調査でも、思考力・判断力・表現力を問うような出題が見られました。

たとえば国語の現代文では、従来は評論文と小説が扱われていましたが、試行調査ではポスターや法律の条文といった実用的な文章を読み取る問題が出題されています。また数学では、エネルギーと脂質を抑えるための食品の組み合わせを考えさせるなど、日常生活から数学的な問題を見いだす力が試されました。日常的な題材を扱った問題や複数の資料を読み取るような問題は、理科や社会でも出題されています。

ただ、思考力を問うような問題はセンター試験でも出題されてきました。また、高校での履修する内容が変わったわけではありませんので、出題科目や出題範囲はセンター試験と同じです。共通テストの対策をする際は、センター試験の過去問も上手に活用しましょう。

「英語」の変更点をチェック!

共通テストの英語では、従来の「筆記」が「リーディング」に改称され、「読むこと」に特化した内容になります。また、センター試験では「筆記200点・リスニング50点」の「4:1」だった配点が、英語4技能をバランスよく育成するという観点から、「リーディング100点・リスニング100点」の「1:1」の配点になります。

ただし、実際の入試でどの技能に比重を置くかは各大学の判断になります。リーディングとリスニングの点数を「4:1」や「3:1」に換算して入試に用いる大学もあります。大学の募集要項で必ず確認しましょう。

※英語4技能:読む(リーディング)、聞く(リスニング)、話す(スピーキング)、書く(ライティング)

リスニングでは「1回読み」の問題も出題

センター試験のリスニングでは問題音声はすべて2回ずつ読み上げられました。共通テストでは実際のコミュニケーションを想定して「1回読み」の問題も出題されます。聞き逃しが許されないことになりますから、リスニング対策がより重要になると言えるでしょう。

共通テストのスケジュール

2021年度の共通テストは、1月16日(土)・17日(日)に実施される予定です。2020年5月時点では出願開始時期などは未定ですが、センター試験は次のようなスケジュールで行われていました。1月なかばの試験実施日に対して出願が10月とかなり早かったので、スケジュールには十分注意しましょう。

どの科目を受験すればいいの?

共通テストでは、6教科30科目の中から最大で6教科9科目を選択して受験します。どの科目を課すかは大学・学部・日程などによって異なります。受験生は志望大学の入試に必要な科目を選択して受験することになります。受験科目が足りないと出願できなくなりますので、第一志望に限らず、出願する可能性のある大学の入試に必要な教科・科目は早めに調べておきましょう。

教科 科目
国語 国語
地理歴史 世界史A/世界史B/日本史A/日本史B/地理A/地理B
公民 現代社会/倫理/政治・経済/倫理、政治・経済
数学 数学Ⅰ/数学Ⅰ・A
数学Ⅱ/数学Ⅱ・B/簿記・会計/情報関係基礎
理科 物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎
物理/化学/生物/地学
外国語 英語/ドイツ語/フランス語/中国語/韓国語

共通テストQ&A

 共通テストでは浪人生のための移行措置はないのでしょうか?

 高校での履修内容が変わったわけではなく、出題科目や出題範囲もセンター試験と同じですので、浪人生のための移行措置はありません。

Q 記述式の問題が導入されると聞いたことがあるのですが……

 センター試験はすべてマーク式の問題でしたが、共通テストでは当初、国語(現代文)と数学Ⅰの範囲で記述式が導入される予定でした。しかし、採点ミスの不安などから、2019年12月に導入見送りが発表されました。共通テストは、センター試験と同様に、すべてマーク式の問題で実施されます。

 英語で、英検などの民間試験が活用されると聞いたのですが……

 共通テストの英語はリーディングとリスニングの2技能の出題ですが、入試でも英語4技能を評価するという目的で、英検やGTECなどの民間の資格・検定試験の活用を進めることになっていました。民間試験の成績を入試で利用しやすくする仕組みとして「英語成績提供システム」の導入が予定されていましたが、民間試験の受検にあたって家庭の経済的状況や居住地域による公平性が確保できないとして、2019年11月に見送りが発表されました。
成績提供システムの導入は見送られましたが、民間試験の成績を各大学が独自回収して入試に利用することは引き続き可能で、2020年以降も利用する大学は増える見込みです。

共通テストの最新情報は大学入試センターのウェブサイトで確認できます

独立行政法人 大学入試センター

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